屋上の排水口と防水点検で管理組合が確認したいこと

屋上は日頃目にする機会が少なく、不具合に気づきにくい場所です。防水工事の予定だけでなく、雨水が排水口へ流れているか、清掃や点検が続けられているかも確認しておきたいポイントです。今回は、管理組合が管理会社や専門家に相談するときに役立つ、屋上の排水と防水の確認事項を整理します。

排水口の詰まりも漏水の原因になる

屋上の雨水を排出する排水口は、ルーフドレンとも呼ばれます。国土交通省の保全資料では、泥やごみが堆積して排水が妨げられると、雨水が屋上に滞留し、防水層の立上がりを越えたり、劣化した部分から水が浸入したりして、雨漏りにつながるおそれがあると説明しています。

この資料は官庁施設を対象とした平成28年3月の資料ですが、排水口の清掃と防水状態の確認という保全の考え方を紹介するために参照しています。マンションの点検頻度や作業方法は、建物の仕様、管理契約、過去の不具合などに応じて確認しましょう。

管理会社に確認したい三つのポイント

1.排水口と周囲の清掃状況

排水口やその周囲に、落ち葉、泥、ごみがたまっていないか、清掃の実施状況を確認します。雨のあとに水たまりが繰り返し残る場合は、場所や状況を記録して相談しましょう。清掃で対応できるのか、排水経路や屋上の状態について調査が必要なのかを、管理会社や専門家に確認することが大切です。

2.防水層と目地の状態

防水層の破損や目地の状態について、点検報告書で確認します。BELCAのマンションドックでも、屋根・屋上の防水層の劣化は標準的な診断メニューに含まれています。点検で気になる箇所が見つかった場合は、写真だけで補修方法を決めず、防水の種類や下地の状態を踏まえた判断を依頼しましょう。

3.雑草の発生と処理方法

国土交通省の資料では、屋上の雑草が排水を妨げたり、根が防水層に入り込んで損傷を起こしたりすることが示されています。目地から生えた雑草を安易に引き抜くと、防水層を傷めるおそれもあります。雑草を見つけたときは、管理会社や施工会社に状態を伝え、適切な処理方法を確認してください。

管理組合は「記録」と「対応の確認」を

屋上の管理を継続するため、理事会で共有する記録には、次の内容をそろえておくと相談が進めやすくなります。

  • 点検・清掃の履歴:実施日、対象範囲、確認した不具合、実施した処置を残します。
  • 状況が分かる写真:屋上のどの位置か分かる全景と、不具合箇所の写真を組み合わせます。
  • 次の対応:追加調査や補修の要否、担当者、次回の確認時期を整理します。

屋上への立入りや作業は、管理上のルールと安全を確保できる範囲で行う必要があります。居住者が無理に屋上へ上がったり、強風・降雨時に確認したりせず、管理会社や専門家に依頼しましょう。室内で漏水を見つけた場合は、発生時刻、場所、天候、写真を伝えて早めに相談し、原因の調査につなげます。

まとめ

屋上の維持管理では、防水層だけでなく、排水口の清掃状況や雑草の発生も確認したい項目です。管理組合は点検・清掃の記録を共有し、気になる点があれば専門家に判断を依頼して、建物の状態に合った対応を進めましょう。

建物診断の対象や流れについては、当サイトのマンションドックの案内もご覧ください。

参考資料

※2026年10月13日時点で確認した公表資料をもとに作成しています。